赤い糸
プロローグ




またあの夢を見た。




昔よく見た夢。




知らない男の人が私に手を差し伸べている。




私はその手を強く握って




二人で遠くへと逃げる。




何かに追われているような、




だけど、




とても幸せな気持ち。













けど、




すぐに追いつかれてしまい、




二人は引き離されてしまう。




彼はとても悲しそうな顔で




「愛してる」





それだけ言って、




どこかへ連れて行かれてしまう……










ひとり残された私は、




彼の名を呼び続ける。




声が枯れてもなお、




彼の名を呼び続ける……






































< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop