ウソつきより愛をこめて
「わー寧々ちゃん可愛い!ママとおそろいだねぇ」
「えへへ。くるくる~」
「髪巻いてたら、せがまれちゃって…」
アイロンでゆるく巻いた髪を、寧々は自慢気に由子へ見せびらかしている。
恐らくマリカも同じことをしてやったことがあるのだろう。
寧々は私がアイロンをあてている間、終始ご機嫌でちゃんと大人しくしていた。
「そうしてると本当エリカにそっくりだね。将来は色んな男が寄ってきそうで心配だわ」
「ふふ」
寧々が褒められると、自分のことのように嬉しくなる。
ヤバイなー、自分でもこんなに溺愛しちゃうとは思わなかった。
寧々と離れたくない。
仕事に行きたくない。
寧々は泣かないでバイバイと手を振っているのに、私の方が泣きそうだった。