ウソつきより愛をこめて
ちゅっ、と音を立てながら膨らみの頂きに吸いつかれ、頬に灼熱感が走る。
隅々まで私を知り尽くした手の動きが、頭の中を真っ白に変えていった。
―――信じられない。
彼の触れる場所が、どこもかしこも気持ちよくて、頭がおかしくなりそうだ。
押し寄せてくる快楽の波に飲まれながら、私は必死で声を押し殺す。
私の胸元に埋まった髪の毛から香る爽やかなシャンプーの香りが、幸せだったころの思いを増長させていく。
彼の強引な愛撫が好きだった。
全てを奪われそうな勢いで求められることが、本当は嬉しくてたまらなかった。
忘れたつもりでいても、身体がまだ彼のことを覚えてる。
「しょ、…た」
こんな自分は情けないとわかっているのに、求めずにはいられない。
「…翔太…」
すがるような声で必死に手を伸ばし、彼のワイシャツにしがみつく。
私の膝を割って、彼は私の足の間に腰を滑り込ませてくる。
太腿の奥に当たる高ぶりの猛々しさに目を丸くした私の唇を、橘マネージャーはまた荒々しく塞いでいた。
…こんなの間違ってる。
でももう、理性が追いつかない。
いっそのこと、このまま…。
「…ふぇっ……ママぁっ…」