「じゃあ、結婚しようか」
「着替え、出しといたから――」


バスルームを隔てる戸の向こうで、陽平さんの声が飛んできた。


女モノの着替えなんてあるのかしら、と訝しがってお風呂から出ると、用意されていたのはTシャツにジャージ、それにトランクスだった。

トランクスなんて……。私はちょっと笑ってしまった。


赤いトランクスは私にぴったりで、ずりさがることもなかった。
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