「じゃあ、結婚しようか」
20・「じゃあ、結婚しようか」
私は、つかまれたその手を離せずにいた。


こころ、揺れる。


だけど、南田先生のお腹には陽平さんのあたらしい命が……。


そう思うと、やりきれなくて――。


私は、静かに涙を落としていた。
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