ただ守りたかった居場所
待ち合わせの五分前くらいに、立川駅に着いた、私達が改札を出て、わかりやすい場所に移動しようとしたとき、目の前を佐々木が通ったと思ったら、目が合ってしまった。



私達は言葉を交わす前につい、タイミングがよすぎることに二人して、にやけてしまった。
 



軽く友達と、佐々木が自己紹介をしたあと、佐藤君を待った。
 



私は、佐藤君が友達と合流してから来るんだと思っていたので、佐藤君が来たとき、一人だったので、どうしてだろうと思った。




しかし、そんな気持ちも気づかない様子で、佐藤君は、軽く自己紹介したあと、
 


「お店こっちです。」


と、移動を始めた。



お店はアジア料理の居酒屋で、個室風になっていて、雰囲気も料理も良かった。
 



席に着いて、飲み物を頼んだ後、私は佐藤君に、
 

「今日は、五人ですか?」


と聞いていた。
 


「友達の都合がつかなくて、五人です。すいません。」


と、佐藤君に言われた。



謝らなくてもいいのにと私は思いながら、
 


『なんか微妙な感じになりそうだから、一次会で終わりだろうな。早く帰れる。』


と思っていた。



席は、男と女、向かい合わせで座った。私は、一番奥で、佐々木は私の向かいに座った。


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