ただ守りたかった居場所
第三回、五人での飲み会が開催された。



それは急に決まったことだった。



昼休みに私はグルメ情報誌を見ながら、山本と前田と美容院に行った後、ご飯食べるお店を選んでいた。



なんとなく、美味しそうなお店があったので、佐々木に写真を見せながら、



「美味しそうじゃないですか?」と言った。



「美味しそう。行きたい。」という返事が返ってきた。




『この行きたいは、一緒にじゃないよな?』と思いながら、



「行きますか?明後日いつもの面子と行こうと思ってるんですけど。」


と、行かないという返事が返ってくることを前提に誘ってみた。



「じゃぁ、佐藤君に聞いてくる。」と返事が返ってきた。




そして結局、五人で飲みに行くことに決定した。



私は、女二人に、男二人も来ることを当日のお店に移動する電車の中で話した。



会話の流れとはいえ、五人で飲むことになったことはなんか言い出しにくかった。



でも、女二人は男二人をもう異性として意識しないで、友達になっていたので、あっさり了承をもらえた。



『仕事を休んで美容院に行ったのに、夜、佐々木と飲んでたら、仕事を休んだ気にならないよ。』


と思う反面、うれしかった自分もいて、もしかしたら恋かな?とイヤ違う!と、心の中で戦っていた。
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