ただ守りたかった居場所
 第五回目の飲み会は、会社が終わってから、それぞれが用事を済ませ、集合したのは家の近所のスーパーだった。



 
 五人全員が集まった時点で、買い物は終了していた。



 
 鍋も下処理をほとんどしておいたので、すぐに食べ始めることが出来た。




 今回は、女二人に、



  「しっかり狩をしなきゃ、駄目だからね。」


           
           と念を押されていたが、ついついいつも通りに過ごしてしまった。



 それでも、私なりに頑張った。




 引越し祝いに、山本から私がずっと欲しがっていた、バランスボールを貰った。



 しかし、その中に、空気入れが入っていなかったので、何も考えずに、佐々木に口で膨らましてと頼んだ。



 佐々木も当たり前のように、真っ赤な顔しながら膨らませてくれたし、他の三人も当たり前のように感じていた。



 しかし、他の人に言わせると、友達の異性に、膨らませてもらうなんて考えられないと言われた。



 その時、


  『私達が当たり前でやってることって、友達以上なのかな』


            と思ってしまった。




 佐々木は私の家に来て、自分で膨らませたバランスボールで楽しみ、相手にされないといじけたりして、つい


  『かわいい』


            などと思ってしまった。



 他にも、ロフトがあるので、上りたくてしょうがなかったらしく、私の許可がでるとすぐにロフトに行き、みんなにどんな感じになっているか報告しながら、本やCDなどをあさっていた。



 下りるときへっぴり腰になっている自分に、


   「かっこ悪い。」


            とか突っ込みを入れている姿を見て、また私は、


   『かわいい』


            と思ってしまった。



 どんどん私は佐々木にはまりだしていると感じた。
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