ただ守りたかった居場所
送別会の当日、会社からお店までは、6人で行った。



座った席は、佐々木と一番離れている席に座った。



それでも、いつもと同じように話していたと思う。



安部は、佐々木の隣で私の斜め前に座った。



その時は、まだお互い何も感じていなかったと私は思っている。



お互いのことを知らないから当たり前かも知れないが・・・




パラパラをほぼ毎日のように踊りに行っていた阿部に、


「踊ってよ。」と言ったら、



「カラオケに行ったら、踊りますよ。」


と言ったので、みんなで二次会にカラオケに行くことになった。




カラオケの席は佐々木を挟んで、左に安部が座り、右に私が座ることになった。



そしてカラオケは想像以上に盛り上がり、みんな次の日、口を揃えて


「楽しかったね、昨日。」


というぐらいだった。




パラパラを踊る様子がなかったので、佐々木と相談して、安部に内緒で曲を入れ、踊ってもらったというか、みんなで教えてもらった。



曲を佐々木と相談しているとき、音でよく声が聞こえないので、顔を近づけて話をしていて、一瞬我に返ると、佐々木の顔がすぐ傍にあることにドキドキしていた。




そんな時間もあっという間に過ぎ、十一時過ぎに解散した。
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