ただ守りたかった居場所

結局は・・

 私は泣きながら、このままの気持ちで、佐々木と安部が付き合いだすことは嫌だと思い、玉砕することは解っていたが、佐々木にメールをすることを決意した。



 朝、メールを書き、夜送ろうと思っていたが、夜まで待つことが出来ず、書いてすぐに送った。



 時計を見ると、午前9時だった。



  【邪念の本当の理由を書きますね。


   でも、今から書くことは忘れて下さい。


   今までは当たり前のように過ごしてきたことが、最近当たり前じゃなくなって崩れてきて、ペースが乱されているんです。


   特に気持ちが。


   阿部さんから佐々木さんのこと聞けば聞くほど、今まで気付いていなかった自分の気持ちをどうしたらいいのか解らなくなっているんです。


   でもその気持ちも忘れる努力をするんで大丈夫です。


   来週から何も変わらないですよね?


   忘れるんですから。


   ただ今までと違うのはもう飲みにも遊びにも行かないことだけです。】



 佐々木からの返事を待つ時間がすごく長く感じた。



 その日は、何もする気にもなれなかったし、何も食べる気にもなれなかった。
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