ただ守りたかった居場所
ついに土曜日になった。
 


昼間は女同士三人で、吉祥寺で買い物を楽しんだ。



私は、お昼を食べながら、今日の面子の話をした。
 



初めは、会社の人、一人の予定で、他の二人はその人の友達の予定だったんだけど、急遽、会社の人、二人と、佐藤君の友達一人になったことを説明した。



その会話の中で私は、
 

「会社の人、二人も来ると、いつもの会社の感じと同じで、テンション上がんない。

もう一人の人に期待したいけど、佐々木さんに監視されている気がしてやりにくいし・・・」
 



「良いじゃん、私達、佐藤君に会うより、佐々木さんと会えるほうが楽しみ。」
 



「それって、私を観察して楽しむんでしょ!せっかくたまには二人を観察して楽しもうと思ったのに、いつも通りじゃん。

つまらない。」
 



「人のことで楽しもうとするから、罰が当たったんだよ。佐々木さん楽しみだね。」
 



「うん、うん、楽しみだ。」
 



「今日は、さっさと飲んで、二時間で解散にするからね。」
 


「はい。はい。」


などという話をしながら、私の気持ちはどんどん重くなってきた。



なぜなら、友達に私が会社でどんな感じで仕事をしているのかバレルのも嫌だし、佐々木に普段の私がどんな感じなのか知られるのも嫌だった思いがあったが、心の奥深いところで、早く佐々木と飲みたい気持ちもあったかもしれないと今では思う。
 



六時半に立川駅で待ち合わせだったので、五時半過ぎに吉祥寺を出た。
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