bitter・princess ー短編ー
あたしには、奈海という、親友がいた。

奈海は、明るくて、可愛くて、周囲から人気のある子だった。


そんな奈海には、3年生に、付き合って間もない彼氏がいた。

格好よくて優しくて、誰もが憧れる彼氏だった。


奈海はその彼氏、ユキが大好きだった。

ふたりは、あたしも憧れるような、理想的なカップルだった。


けれど、ある夏祭りの日

事件は起こった。


あたしは、奈海と一緒にいた。

ふたりで屋台を回っていると、奈海の携帯に、ユキから連絡があった。

「今友達いるから来て」

そう言われ、あたしたちはユキの家に向かった。


「お〜来た来たぁ〜!!
オイ皆ァ、これ、俺の彼女の奈海と、その友達、速音ちゃん!可愛くね?」

ユキは、ベロンベロンに酔っていた。

今まで見たこともない一面。


しかも、その場にいた友達というのが

金髪に、ピアス、中には煙草を吸っている人もいた。


これがユキの友達?

あたしたちは目を疑った。
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