bitter・princess ー短編ー
あたしは、奈海に駆け寄った。
「奈海!奈海、大丈夫!?」
「……ね…速音…」
蚊の鳴くような声で、あたしの名を連呼する奈海。
「酷い!!何でこんなことするの!?こーゆうことは、好きな人とだけするものじゃないの!?」
あたしは、ユキを睨んだ。
しかし、ユキは鼻で笑ってあたしたちを見下ろした。
「何言ってんの?セックスなんてさ、愛し合ってなくてもできるよ」
ユキが言い終わると同時に
奈海は部屋を飛び出した。
その一週間後、奈海はあたしたちの前から姿を消した。
あたしは、恋をすることに失望した。
“愛なんてなくてもセックスはできる”
その後のあたしの生活は、その言葉通りだった。
あたしにとってセックスは
愛し合ってするものではなく、自分の存在を確かめる行為。
求められた数が、あたしの存在価値。
感情なんてない。
好きと言われれば、『はい、どうぞ』って、体を差しだす。
それがあたしのやりかただった。
「奈海!奈海、大丈夫!?」
「……ね…速音…」
蚊の鳴くような声で、あたしの名を連呼する奈海。
「酷い!!何でこんなことするの!?こーゆうことは、好きな人とだけするものじゃないの!?」
あたしは、ユキを睨んだ。
しかし、ユキは鼻で笑ってあたしたちを見下ろした。
「何言ってんの?セックスなんてさ、愛し合ってなくてもできるよ」
ユキが言い終わると同時に
奈海は部屋を飛び出した。
その一週間後、奈海はあたしたちの前から姿を消した。
あたしは、恋をすることに失望した。
“愛なんてなくてもセックスはできる”
その後のあたしの生活は、その言葉通りだった。
あたしにとってセックスは
愛し合ってするものではなく、自分の存在を確かめる行為。
求められた数が、あたしの存在価値。
感情なんてない。
好きと言われれば、『はい、どうぞ』って、体を差しだす。
それがあたしのやりかただった。