bitter・princess ー短編ー
大地には、付き合って4ヵ月になる彼女がいる。

あたしは所謂セフレ。


「ごめん。また…遊んでね」

彼の言う“遊び”とは、もちろんセックスのこと。

「彼女にヤラせてもらいなよ」

あたしは、大地を見ずに言った。

「あいつ、ヤラせてくれねーんだもん。自分から必死こいてコクってくるから、相手してやったのに…」


大地の言葉に、あたしは頷きもせず、脱ぎ捨てた服を拾った。

「俺の本命は速音ちゃんだよ」

そう言って、大地は後ろから抱きついてきた。

…暑苦しい。


「そーゆうことさらっと言う?」

「だってまじでコクったって、速音ちゃん彼氏作んないから報われないじゃん」

「彼カノってのがヤなの。セックスしたげてんだからいいじゃん」

あたしは、軽く大地の頬にキスをして言った。

「速音ちゃんこそ、そんなエッチ用語さらっと言うか?」

大地はケラケラと笑いだした。

「何、エッチ用語って」

あたしは、鼻で笑いながら服を着た。


あたしには、抱かれるときも、いつだって
羞恥心の欠けらもない。
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