bitter・princess ー短編ー
あたしは、ただ、黙って立っていた。
――何で、他の子とキスしてたくせに、あたしを助けにくるのよ。
――あたしも、あたしだ。
何で春馬相手に、こんなにぐちゃぐちゃになるの?
「もう、あんなことすんなよ…」
俯きながら言う春馬。
心臓が、またキュウッとなる。
…ああ…そっか。
あたし―…
春馬が好きなんだ――。
あたしは、春馬に抱きついた。
「……速音??」
「春馬……あたしを…
――抱いて」