bitter・princess ー短編ー
何なのよ、こいつ!

やっぱ嫌い。

大っ嫌い!!


「あいつはただのセフレ!!エッチするだけの友達だし!!
てゆーか、あたしの恋愛事情なんかあんたに関係ないじゃない!」


あたしは、腹部を抑えて蹲る春馬に言い

再度家の中に入ろうとしたが


「…関係あるよ…」

いつになく真面目な春馬の声に、思わず振り返った。

「え?」

「関係あるよ。…だって…」

「だ、だって、何よ?」



あたしは、固唾を飲んで、答えを待った。


「速音なんかに先越されちゃ、俺後の人生お先真っ暗じゃん」

…やっぱ大っっ嫌い…。

「何それ。ムカツク」


そう言い捨てて、あたしは家に入った。


期待したあたしが馬鹿だった。


もしかしたら……

“もしかしたら、春馬は自分のことが好きなのかもしれない”

なんて。


自分でも呆れるくらい自意識過剰だった。



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