bitter・princess ー短編ー
ん…??

え、そのまさかなわけ?

「は、春馬?あんたまさか…、どう」

「なわけねえだろ!!この俺様が、童貞なんて、ありえねぇし!!」

春馬は、やけにムキになった。

そんな春馬の言葉に、何故か胸がチクリと痛むあたし。


…何で?

「そ、そうだよね!春馬みたいなイケメンが童貞なわけないよねぇ」

あたしは、無理矢理に、笑いながら言った。

「えっ」

また赤くなり、戸惑う春馬。

「え…何?」

「は、速音、今何て?」

「え、だから、春馬はイケメンなんだから童貞なんてありえないって…」


え、あたし、何か癪に障ること言った?

「あ、何でもない。ごめん」


何なの?

調子狂う。


「あ、そだ。春馬、晩ご飯食べていく?」

「うん。そのつもりで電話した」

図々し!!


あたしもどうしたんだろ?

春馬のこと、嫌いなはずなのに。




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