ある物語
エリノア・オルロープは恋人と共に暮らしていた。
悪魔族の彼女は、同じく悪魔族の男に恋をした。
幸せな暮らしだった。

この世界には大きく三種族の者が居る。

鬼や魔物といった妖怪

魔女や超能力者も居るとされる人間

天使や悪魔といった神族

天使と悪魔は関わってならないという風習が蔓延っていたが、同族の彼ならば、問題はない。
誰も反対はしなかった。

そんな幸福も、束の間だった。

彼が、異形になってしまった。

異形とは、元は人間であったり妖怪である。
力が暴走してしまい、抑制が効かなくなってしまった状態の者のことを言う。
形が歪み、理性は無い。

神族は異形に成ることは殆どない。
あると、かなり手強い異形となる。

その、はずで

彼がそうなるなんて思いもしなかった。

『今、楽にしてあげるから。』

彼女は彼を自分の手で、殺した。
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