ある物語
「はい。二人のも。」
レナータはそれぞれにプレゼントを渡した。
中には小さな青い鳥が描かれた小物が入っていた。
ディーラのは黄色の星が描かれた小物入れのようだ。
「ハッピーメリークリスマス。」
「ありがとう。」
ディーラはレナータに微笑んだ。
「そうだ。ハルデンさん?だっけ。あの本の作者。」
「うん。それが、どうしたの?」
「その人がさっき来てたよ。」
エリノアはびっくりした表情になった。
「どうして?あの人の家からは遠いでしょ。ずっと北の国って聞いたわ。」
「わからない。でも、女の人と男の人と女の子も居たから、家族旅行じゃない?」
「へぇ……」
ディーラにエリノアは未だに不思議そうにしている。
ふと、後ろに気配を感じて振り向く。
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