彼が主で私が執事!?
「女は噂話が好きだな・・・・・・。
確かに、婚約を破棄にしようとしている。」
「それはグレイ様の意思から・・・ですか?」
「ああ。」
簡単に片付けられてしまう。
その言葉に胸の中がぽっかりと空いた気になってしまった。
どうしてなんでしょう・・・。
この方が私のことなど見向きもしないことは分かっていたのに・・・。
これは政略結婚で・・・。
それに私はこの婚約の話は不本意だったはずなのに・・・。
なのになぜか胸が、痛いです。
分かりません。
どうして痛いんでしょう・・・。
そう思っていたら不思議と涙が出てきた・・・。
「ひっ・・・ひっく・・・。」
「なぜ、レイが泣くんだ?」
泣いている私を見て言う。
冷たいけれどどこかあったかい声・・・。
そうです、どうして私は泣いているんでしょう・・・。
この涙は・・・なんで?
すると自然と口から思っていたことが出た。