可愛い彼にはご注意を!



「・・・・・・柚亜がいない間に篠田さんを食事に誘ったり、ケータイのメアド交換しましょう?とか色々と駆使して話しかけてみたの。」

「うん。それで?」

「でもね・・・篠田さんって仕事人間みたいで全く相手にしてくれなくて!
しかも、私は社長が残していった書類を片付けるのに必死なんですって言われて・・・・・・。
社長のことしか頭にないみたいで、何で男に負けなくちゃいけないのよ!!」




沙希は余程、ご立腹なのか泣きながらお酒を飲んでいる。


確かに、篠田さんは真面目な人だ。



一度、会社まで送って行ってもらったことがあるけどその時もとても丁寧な人できっちりした人なんだなって思った。


でも、沙希が誘ったのを断った理由が蓮のことだと申し訳ない。



帰ったら蓮に言ってみようかな?


篠田さんにあまり心配をかけないでくださいって・・・。



私が言ったからと言って蓮が聞くかどうかは謎だけど・・・・・・。





「そりゃ、社長はカッコいいわよ!
仕事も出来るし!!
でもね・・・社長が理由で振られる私ってどうなのよ!!」

「はいはい。ほら、沙希飲んで飲んで。」

「うぅ~、柚亜。私には柚亜だけよ~。」

「分かったから、ね?」




泣きながら私に抱きついてくる沙希をどうしようか悩む。


もうそろそろ連れて帰った方がいいんだろうけど・・・この様子じゃ帰れそうに無い。


それに、私もそれなりに飲んでいるから沙希を送ることができるか不安だ。



うーん、どうしよう・・・。


困っていたら、携帯のランプが点滅した。




「あ、蓮からだ・・・。」




メールの相手は蓮からで、中を開いてみると迎えに行くから場所を教えて欲しいとのことだった。


場所っていっても会社から歩いて10分くらいの居酒屋さんだから大丈夫だと思うんだけど・・・。



そう思ったけど、蓮に言わないと帰れそうにも無いので連絡した。






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