可愛い彼にはご注意を!
「良かったよ。」
「そうですか・・・。」
「でも、まさかこんなに上手くいくとは思わなかったけどね。」
「貴方も策士ですね。」
「褒め言葉?」
「いえ、貶(ケナ)しています。」
社長と秘書の会話とは思えない会話。
篠田は俺の昔からの親友だから俺は全く気にも止めない。
「それで、次はどうするんですか?」
次の手を促す篠田に俺は口元を緩めた。
彼女を確実に・・・。
そして、ジワジワと追い詰めていく為には・・・・・。
「決めた。プロポーズするよ。」
ニコッと笑って言う俺の顔を見て篠田が溜め息をついたのは言うまでもない。
「分かりました。
では、彼女はこちらで呼び出しましょう。」
「うん、お願い。」
「それにしても、社長は貪欲ですね。」
「それが、男ってものでしょ?」
男の理性は本当に脆くて弱い。
昨日、それを痛いほど思い知った。