Lolita
「俺はあまり、人の血は飲まないからよく昨日みたいになる・・・。
でも、大抵は一人だから良かったけど・・・昨日はソフィアがいた。」
「はい・・・。」
「ここには、俺と同じヴァンパイヤが沢山いる・・・。
そんなヴァンパイヤの中にソフィアがいるのは格好の的・・・。昨日みたいになりたくなかったら俺には近づかない方がいい・・・。
ここからも出て行った方がいい・・・。」
レイン様は言いたいことだけを一方的に私に言う。
でも、私はレイン様の話をあまり聞いていなかった。
どうして・・・レイン様がそんな悲しいことを言うのか分からない。
どうして・・・そんな話を平気な顔をして言えるのかが分からない。
分からないことが多くて私は、何も言えずにいると・・・レイン様は私から背を向けた。
「じゃぁ、お大事に・・・。」
そのまま、背を向けて歩いて行ってしまうレイン様。
行かないで・・・なんて私には言えなくて、気がついたらレイン様の背中にしがみついた。