Lolita
「離して・・・。」
冷たく言われて私は余計にレイン様にしがみついた手に力を入れた。
「・・・・・・。」
すると、レイン様は私の手を優しく外して・・・・・・。
「・・・・・・ごめん。」
一言言って部屋から出て行った。
残された私は一人、声を押し殺して泣いた。
「ごめん・・・なんて言うくらいなら、言わないで・・・ください。
優しくなんてしないで、ください・・・。
どうして、そんなに・・・悲しそうな顔をするんですか・・・・・・。」
たった一人でこんなことを言っている私はとても惨めだと思った。
それにいつからか、私はレイン様のことが好きで・・・大切で・・・・・・。
だけど、気づいた時にはもう手遅れで・・・。
「大切な人を手にすることもできない・・・・・・。」
ポタポタと流れていく涙。