きら星のクリスマス


大学の授業は終わったけれど、全ての機能が停止したわけじゃない。




食堂はやってるし、コンビニもやってる。




だから、憩いの広場の象徴的な大きな木にもイルミネーションがあしらわれていた。




「……綺麗。」





私は初めて真剣に見るそのイルミネーションに心を奪われた。





「……でも一人ぼっちか。」





誰かと一緒に見ればもっと素敵だっただろうな……





何か今日はそんなことばっかり。




見えないサンタクロースに操られて、妙に感傷的になってる。






……イルミネーションが徐々に滲んで見えてきた。






「……誰も見てないし、泣いちゃおうかな。」





今度は目から溢れる涙を拭おうとは思わなかった。




……私、誠と過ごして少し贅沢になったのかも。




そんなことを考えていた時だった。

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