きら星のクリスマス
Side 雪斗
~飲み会の終わり~
「おーい、そろそろお開きにするぞー。」
金沢先輩がそう言ったのは、23時前だった。
「しかし……橘先輩が酔いつぶれるとは。」
金沢先輩はそう言いながら、僕を見る。
いや、正確には僕の肩に頭を乗せながら眠っている美織さんを見ている。
「おい、里夜。お前、ずーっと顔赤いぞ?」
そしてニヤニヤしながら、肩を貸し続けている僕をからかっている。
「……仕方ないじゃないですか。」
「まぁ、そうか。憧れの先輩がお前に心を許してるんだもんな。酒が入ってるとはいえ。」
……心を許してるか。いい響きだな。
「……とりあえず、橘先輩を送っていかなきゃいけないな。あー、俺は反対方向だしなー。俺は橘先輩のアパートも知ってるんだけどなー。誰か優しい人が送ってくれないかなー。」
……ほら、僕をからかってる。