きら星のクリスマス
「……僕が送っていきます。」
「いやー、そうかそうか。里夜くん。じゃあ、お願いするよ!いや、いい後輩だなぁ。」
金沢先輩はそう言って、僕の耳元に口を近づけた。
「くれぐれも変な気は起こすなよ?」
「なっ……分かってますよ。」
何を言うんだ、この人は……眠ってる美織さんに何かできるわけないのに……。
「えー、里夜くん、橘先輩のところに行っちゃうの?」
「うん。ごめんね?」
周りの女の子たちは僕が美織さんを支えながら帰ろうとすると、次々と声をかけてきた。
「あのさ、里夜くんって橘先輩のこと……」
「……うん。好きだよ?」
言ってやった。とびっきりの笑顔で。
……もう隠さなくても分かるしね。