Photograph
会議
零side
ほんの偶然の出来事だった。
母に頼まれた本がこんなところで繋がりをみせるだなんて思いもしなかった。
でも、白木君が家の話をし始めた時・・・彼女は写真に対して俺とは違う考えを持ち彼女の写真に対する思いを俺は哀れだという思いで企画を却下してしまったことを悔やんだ。
そしてその気持ちを汲み取ろうとした結果、今こうして役員の間で話合いが繰り広げられているのだが・・・・・・。
「やっぱり、ここは普通の写真館じゃ面白くねぇからもっと何か別のアイデアも組み合せた方がいいんじゃねぇの?」
「別のアイデアって何よ。」
「例えば、来てくれたお客さんに俺からのチューのプレゼントとか?」
「誰がそんな気色悪い奴のキスを好むか。」
「でも、零ちゃんだって可愛い女の子とキスしたくね?」
「そんな物いらん。」
「私は女の子だけが来てくれればそれでいいわよ。」
「・・・・・・・・・。」
白木君の案を採用したことを他の二人に伝えると『今日は吹雪だ』とか『熱でもあるんじゃないの?』とか散々言われてやっと話が進むかと思えば中々進まない。
この案を出した白木君は勢いに飲み込まれて何も言ってこない。