Photograph
「大体、零ちゃん。ほんとに一体何があったわけ?
昨日まで美羽ちゃんの意見あんなに反対していたくせに。」
「そうよ、ちょっと虫が良すぎるんじゃないの?」
ブツブツと悠が言うのを見てため息をつく。
もう、この質問を何回してきているのだろうか・・・こいつら二人は。
「それは、先ほども話しただろう。
白木君の写真を見て感動したからこの企画を採用した、それだけだ。」
俺が簡潔に言うと白木君は少し顔を赤くした。
ん?風邪か?
不審に思いながら見ているとまた横から声が上がった。
「ってことは、零は美羽の写真を見て一目惚れしたってことね。」
「ブッーーーーー!?」
上野君の言葉に俺は飲んでいたお茶を噴きだした。
その姿を見て悠は『うわ、汚っ!』と言っていたが気がつかないフリをした。
「だって、そうでしょ?
写真ってその人の心そのものなわけだし・・・つまり、零は美羽に一目惚れしたってことじゃない。」
平然として言う上野君に俺は柄にも無く顔を赤くした。
すると、先ほどまで会話の中に入れなかった白木君の顔が真っ赤になっていた。