Photograph
「いやいや、零ちゃんって・・・美羽ちゃんが好きなんじゃねぇの?」
悠の発言に更にピシッと眼鏡に亀裂が入った。
「待て・・・それはどういう意味だ?」
意味が分からずに聞くと後ろから声が聞こえた。
「どういう意味って・・・そんなの言葉通りじゃない。」
声の主は上野君だったらしく、上野君は呆れたというような顔で俺を見ていた。
「大体ね、零。
あんたは全てにおいて遅いのよ!!」
「なっ!?」
「あんた、美羽の企画を採用した時から美羽の撮った写真を自分の机の引き出しにしまってたでしょ!」
上野君の鋭い指摘が俺の体に突き刺さる。
確かに、白木君の写真に感動して彼女の写真を生徒会室の自分の引き出しに入れていたことは事実だ。
だが、そのくらいで白木君を好きだという気持ちには結びつかないだろう。