Photograph
それに、どうしてそのことを知っている?
あれは、鍵付きの引き出しにしまってあったはずだ。
「普通の人間は他人の写真なんか引き出しに入れないわよ。
それが、感動した写真ならなおさら自分の目に見えるどこかに飾るはずよ。
でも、零・・・あんたはまるで隠すようにその写真をしまっていたわ。
そんなの誰にも見せたくなくて自分だけが見たいって言う独占欲の表れそのものよ。」
「っ!?」
更に鋭い指摘に言葉を失ってしまう。
そこまで、深く考えたことは無かったが・・・なんとなく白木君の写真を飾るのは気が引けた。
でも、写真に感動したのは事実だから一番良く使う引き出しならば・・・と思っていたがそんな風に捉えるとは考えたことも無かった。
「それに、零・・・。
私が美羽の写真を見せてって言った時も否定したわよね?」
「あ、あぁ・・・。」
「そんなに分かりやすい態度を取っておきながら今更、美羽のことは好きじゃありませんってあんた何様のつもりよ!!」
上野君が叫ぶように怒っている。
今まで、恋などただ煩わしい感情としか考えていなかったが・・・俺がまさか、まさか・・・・・・。