ring ring ring
よくあるカフェの、よくあるランチプレート。
「変わってますね、クリームコロッケとサラダと米がひとつの皿とか」
変わっていると思うのは、やはり男性ならではの感想だろうと思う。
「どこにでもあるよ」というわたしの声は聞こえただろうか。高林くんは、見ているこちらが気持ちよくなるほどおいしそうに、プレートの料理を次々と口に運んでいる。
「お腹すいてたの?」
「はい。だって駅からダッシュしたし、美術館ってけっこう歩くじゃないですか。思いっきりインドアな顔して実はアウトドアですよね、美術館とか博物館の類は」
「わかる、それ」
的を射た表現に、わたしは笑ってしまった。たしかに広い館内を歩いて回るのは体力を奪われる。
それにしても、いい食べっぷりだ。わたしはまだ半分も食べていないのに、彼はもうほとんど平らげてしまいそうな勢いだった。
「そういえば、この前はるかちゃんが怒ってたよ。高林くんは同期の飲み会のとき、好きなだけ飲み食いして、全然ペースとかバランスとか考えてくれないんですよーって。女の子もいるんだからさ、ゆっくり食べるとか、考えてあげなくちゃ」
コース料理をそんなふうに食べられちゃうとわたしの分がなくなっちゃうんですよー、といつものかわいいふくれっ面で怒るはるかちゃんを想像したのか、高林くんは「ぐうっ」と喉を詰まらせ、拳でどんどんと胸を叩いた。
「わっ、大丈夫?」
慌てて水を差し出すと、高林くんはそれを一気に飲んで、ぷはーと息を吐いた。そして、「本村といえば」と、切り出した。
「変わってますね、クリームコロッケとサラダと米がひとつの皿とか」
変わっていると思うのは、やはり男性ならではの感想だろうと思う。
「どこにでもあるよ」というわたしの声は聞こえただろうか。高林くんは、見ているこちらが気持ちよくなるほどおいしそうに、プレートの料理を次々と口に運んでいる。
「お腹すいてたの?」
「はい。だって駅からダッシュしたし、美術館ってけっこう歩くじゃないですか。思いっきりインドアな顔して実はアウトドアですよね、美術館とか博物館の類は」
「わかる、それ」
的を射た表現に、わたしは笑ってしまった。たしかに広い館内を歩いて回るのは体力を奪われる。
それにしても、いい食べっぷりだ。わたしはまだ半分も食べていないのに、彼はもうほとんど平らげてしまいそうな勢いだった。
「そういえば、この前はるかちゃんが怒ってたよ。高林くんは同期の飲み会のとき、好きなだけ飲み食いして、全然ペースとかバランスとか考えてくれないんですよーって。女の子もいるんだからさ、ゆっくり食べるとか、考えてあげなくちゃ」
コース料理をそんなふうに食べられちゃうとわたしの分がなくなっちゃうんですよー、といつものかわいいふくれっ面で怒るはるかちゃんを想像したのか、高林くんは「ぐうっ」と喉を詰まらせ、拳でどんどんと胸を叩いた。
「わっ、大丈夫?」
慌てて水を差し出すと、高林くんはそれを一気に飲んで、ぷはーと息を吐いた。そして、「本村といえば」と、切り出した。