ring ring ring
何とかして忠信さんの気持ちを確かめる方法がないものか考えをめぐらせていると、石像と化していた由紀が意識を取り戻し、わたしたちのやり取りに加わった。
「念のため確認したいんだけど、それ、現実の話なんだよね」
「すべて紛れもなく現実の出来事です」
わたしがきっぱり答えると、由紀は「え〜」と頭を抱えた。
「美波、何とも思わないの?別れたばかりの婚約者が、こんなに身近な女の子とデキちゃうかもしれないんだよ。平気なの?」
「ん〜……全然、何とも」
一応考えるフリをしてみたものの、自分でも呆れるくらいに動揺も何もない。むしろ忠信さんが幸せになれるのなら、喜びさえ感じるほどだ。
「わたしは忠信さんがマザコンって知って別れたけど、それでもあの人のことをキライになったわけじゃないもの。彼が幸せになれるのなら応援したいって思う」
「美波さん……」
はるかちゃんが大きな瞳をうるうるさせた。
「美波がいいならいいけど……。じゃあはるかちゃんはさ、岡田さんの本性を知ってるのに平気なの?」
「平気です」
「岡田さんがマザコンなのも問題だけど、岡田さんのお母さんの過保護ぶりもかなりの重症だと思うよ。手料理をタッパーに詰めて送ってきたりするんだよ」
「わかってます。むしろ歓迎したいくらいです」
「歓……迎……!」
さすがにわたしも驚いたけれど、わたしよりも由紀のほうが倒れてしまいそうだった。
「念のため確認したいんだけど、それ、現実の話なんだよね」
「すべて紛れもなく現実の出来事です」
わたしがきっぱり答えると、由紀は「え〜」と頭を抱えた。
「美波、何とも思わないの?別れたばかりの婚約者が、こんなに身近な女の子とデキちゃうかもしれないんだよ。平気なの?」
「ん〜……全然、何とも」
一応考えるフリをしてみたものの、自分でも呆れるくらいに動揺も何もない。むしろ忠信さんが幸せになれるのなら、喜びさえ感じるほどだ。
「わたしは忠信さんがマザコンって知って別れたけど、それでもあの人のことをキライになったわけじゃないもの。彼が幸せになれるのなら応援したいって思う」
「美波さん……」
はるかちゃんが大きな瞳をうるうるさせた。
「美波がいいならいいけど……。じゃあはるかちゃんはさ、岡田さんの本性を知ってるのに平気なの?」
「平気です」
「岡田さんがマザコンなのも問題だけど、岡田さんのお母さんの過保護ぶりもかなりの重症だと思うよ。手料理をタッパーに詰めて送ってきたりするんだよ」
「わかってます。むしろ歓迎したいくらいです」
「歓……迎……!」
さすがにわたしも驚いたけれど、わたしよりも由紀のほうが倒れてしまいそうだった。