ring ring ring
薬指の永遠
今、わたしは久しぶりに愛車のハンドルを握っている。きっかけは、「たまにはドライブとか行きたいっすよねー」という高林くんのひと言だった。
「だったら、車出そうか」
と言うと、高林くんは目を真ん丸にした。
「美波さん、車持ってるんですか?!」
「持ってるよ」
ほとんど使わないけど、とは言わなかった。
「なんで黙ってたんですか」
「聞かれなかったから」
「車があれば、もっといろんなところに行けたのにー」
高林くんは、悔しそうに言った。
ここ最近、デートに誘ってくれるのは、いつも高林くんのほうだった。一歩踏み出すと決めたばかりなのに、誘ってもらうのを待っている自分が情けないと思いつつ、期待どおりに誘ってもらえてうれしかったりして。
高林くんが住む街まで、澄み切った青空の下、車を走らせる。BGMは、高林くんにリクエストを聞いて、レンタルショップで借りておいたCDで、それまで名前も聞いたことがなかった洋楽だ。でもいざ流してみると、CMで聞いたことがある曲があったりして、気分がアガる。
「だったら、車出そうか」
と言うと、高林くんは目を真ん丸にした。
「美波さん、車持ってるんですか?!」
「持ってるよ」
ほとんど使わないけど、とは言わなかった。
「なんで黙ってたんですか」
「聞かれなかったから」
「車があれば、もっといろんなところに行けたのにー」
高林くんは、悔しそうに言った。
ここ最近、デートに誘ってくれるのは、いつも高林くんのほうだった。一歩踏み出すと決めたばかりなのに、誘ってもらうのを待っている自分が情けないと思いつつ、期待どおりに誘ってもらえてうれしかったりして。
高林くんが住む街まで、澄み切った青空の下、車を走らせる。BGMは、高林くんにリクエストを聞いて、レンタルショップで借りておいたCDで、それまで名前も聞いたことがなかった洋楽だ。でもいざ流してみると、CMで聞いたことがある曲があったりして、気分がアガる。