ring ring ring
待ち合わせ場所には、すでに高林くんがいた。遅刻常習犯なのに珍しいこともあるものだ。
「ドライブ日和ですね!」
満面の笑みを浮かべる高林くんのテンションは、マックスだった。そんなにドライブしたかったのか。
「運転に自信ないし、道も詳しくないから、最初に謝っておくね。ごめんね」
「運転の腕はともかく道は任せてください。おれ、ばっちり調べてきたし、いざとなったらナビ……あれ、ナビないんすね。まあいいや、スマホのナビ使えばいいし。ちなみに食事できそうな店も——」
高林くんってこんなにしゃべる人だったっけと思うくらい、彼はずっとしゃべり続けた。久しぶりの運転で緊張してロクな返事ができなくても、高林くんは気にするでもなく陽気にしていて、ありがたかった。
「おおっ、海!海ですよ、美波さん!」
「わかったから、落ち着いて」
高林くんは、いつの間にかわたしのことを下の名前で呼ぶようになった。いつからか覚えていないけれど、気付いたら美波さんと呼んでいて、わたしもイヤな気がしなかったから、そのままにしておいたのだ。
それにしても、東京の灰色の海を見て喜ぶなんて、かわいいんだから。
「ドライブ日和ですね!」
満面の笑みを浮かべる高林くんのテンションは、マックスだった。そんなにドライブしたかったのか。
「運転に自信ないし、道も詳しくないから、最初に謝っておくね。ごめんね」
「運転の腕はともかく道は任せてください。おれ、ばっちり調べてきたし、いざとなったらナビ……あれ、ナビないんすね。まあいいや、スマホのナビ使えばいいし。ちなみに食事できそうな店も——」
高林くんってこんなにしゃべる人だったっけと思うくらい、彼はずっとしゃべり続けた。久しぶりの運転で緊張してロクな返事ができなくても、高林くんは気にするでもなく陽気にしていて、ありがたかった。
「おおっ、海!海ですよ、美波さん!」
「わかったから、落ち着いて」
高林くんは、いつの間にかわたしのことを下の名前で呼ぶようになった。いつからか覚えていないけれど、気付いたら美波さんと呼んでいて、わたしもイヤな気がしなかったから、そのままにしておいたのだ。
それにしても、東京の灰色の海を見て喜ぶなんて、かわいいんだから。