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　炊きたての白飯、豆腐の味噌汁、かぼちゃの煮付けと小松菜のおひたし。鯛の塩焼きは塩加減もばっちりで、順調に夕飯が食卓に並んだ。
　「和って感じね」
　「わりと手際がよくて、びっくりしたよ」
　「失礼ね、ちゃんと家事くらいできるんだから」
　「ごめん、ごめん」
　失礼ね、なんて強気に言ってみたものの、内心わたしのほうが驚いている。家で料理をするときは、レシピ本が欠かせない相棒になっていて、実際今夜どこまでできるか想像もつかなかった。でも人間やるときはやれるもので、簡単なものばかりとはいえ、それらしく仕上がった。
　「ねえ、前から気になってたんだけど、いつもは食事どうしてるの」
　買い物中の不機嫌はすっかり影を潜め、忠信さんは箸を休めることなく、わたしの料理を食べている。そんな姿を見ていて、ふと聞いてみた。