ring ring ring
「最近疲れが溜まってたみたいだけど、どうせそんな状態で無理してサウナとか入ったんだろ」
「…………」
「ちゃんと水分摂ってたのか?学生時代とは違うんだから、甘くみるなよ」
わたしは電話で、由紀がのぼせて倒れてしまったとしか言わなかったのに、古田さんにはすべてお見通しのようだった。もう体の熱は下がったはずなのに、頬を赤くして拗ねる由紀はとてもかわいかった。
「うるさい。わたしのこと大事にしないからストレス溜まったんだもん。ばーか」
「大事に思ってるよ」
「嘘ばっかり。共働きなのに家事ほとんどやらせて、家政婦扱いするくせに」
由紀は体を起こし、横であぐらをかいていた古田さんの胸を握り拳で突いた。古田さんはその手を両手で包み、そっと下ろすと、由紀を優しく抱きしめた。
「そんなふうに思ったことないけど、そう誤解されるようなことしてたんだよな。ごめん、由紀。いつも感謝してるよ」
由紀は、古田さんの背中に手を回した。顔は見えなかったけれど、たぶん泣いている。そんなふたりの向こうで、はるかちゃんももらい泣きをしていた。
「…………」
「ちゃんと水分摂ってたのか?学生時代とは違うんだから、甘くみるなよ」
わたしは電話で、由紀がのぼせて倒れてしまったとしか言わなかったのに、古田さんにはすべてお見通しのようだった。もう体の熱は下がったはずなのに、頬を赤くして拗ねる由紀はとてもかわいかった。
「うるさい。わたしのこと大事にしないからストレス溜まったんだもん。ばーか」
「大事に思ってるよ」
「嘘ばっかり。共働きなのに家事ほとんどやらせて、家政婦扱いするくせに」
由紀は体を起こし、横であぐらをかいていた古田さんの胸を握り拳で突いた。古田さんはその手を両手で包み、そっと下ろすと、由紀を優しく抱きしめた。
「そんなふうに思ったことないけど、そう誤解されるようなことしてたんだよな。ごめん、由紀。いつも感謝してるよ」
由紀は、古田さんの背中に手を回した。顔は見えなかったけれど、たぶん泣いている。そんなふたりの向こうで、はるかちゃんももらい泣きをしていた。