トナカイ×トナカイ~いちごのケーキ~
トナカイはしばらく無言で待っていたが、

やがて口をひらいて、

またわけのわからないことを言った。

「今度一緒に運び屋やろーぜ。

おいらと兄(あん)ちゃん、

『トナカイ×トナカイ』でコンビ組んでさ。」

なにがトナカイ×トナカイだ。

トナカイとコンビを組むなんてありえない。

でも、言葉はココロよりもずっと素直だった。

トナカイの口調が最初よりずっとやわらかいせいかも知れない。

「……うん。そうだね。」

「ケーキの配達も頑張って、

立派な運び屋になれよ?

じゃあ、またな。」

「うん。また。」


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