偽装結婚の行方
第二章 彼女の事情
しかし、いくらなんでもこれはないよなあ。俺がいきなりパパになるなんてさあ。いくら話を合わせろって頼まれても、限度があるよな?
という事で、
「ちょっと待ってよ。この子が俺の子、っていうのは、違うんじゃないかと……」
と言ってみたのだが、
「尚美が違う男と作った子だと言うんですか!?」
すぐに尚美さんの母親から噛みつかれてしまい、
「うちの娘はそんなふしだらではない!」
と父親に怒鳴られ、
「失礼な事を言うんじゃない!」
と、親父さんからも怒鳴られた。そして、
「こんなに似てるのが、何よりの証拠でしょ?」
と、お袋さんが言い、それが“決定打”でもあるかのように、他のみんなも頷いた。そんなに似てるかなあ、と思いながらその赤ん坊の顔をじーっと見たが、うーん、確かに似てるかもだな。
もしかして、本当に俺の子どもなのかな。なんて、あるわけないけど。
「涼、ごめんね?」
尚美さんは再び俺に謝った。それはたぶん、『こんな事に付き合わせちゃって、ごめんなさい』という意味だろう。
まったくだよ。でも……
その尚美さんのすがるような、そして泣きそうな顔を見ていたら、もう、仕方ないかなと俺は思った。だから、
「俺こそごめん、変な事言って。この子は確かに俺の子どもだよ。うん」
って、言ってしまったんだ。これから先、大変な事になるとも知らずに……
という事で、
「ちょっと待ってよ。この子が俺の子、っていうのは、違うんじゃないかと……」
と言ってみたのだが、
「尚美が違う男と作った子だと言うんですか!?」
すぐに尚美さんの母親から噛みつかれてしまい、
「うちの娘はそんなふしだらではない!」
と父親に怒鳴られ、
「失礼な事を言うんじゃない!」
と、親父さんからも怒鳴られた。そして、
「こんなに似てるのが、何よりの証拠でしょ?」
と、お袋さんが言い、それが“決定打”でもあるかのように、他のみんなも頷いた。そんなに似てるかなあ、と思いながらその赤ん坊の顔をじーっと見たが、うーん、確かに似てるかもだな。
もしかして、本当に俺の子どもなのかな。なんて、あるわけないけど。
「涼、ごめんね?」
尚美さんは再び俺に謝った。それはたぶん、『こんな事に付き合わせちゃって、ごめんなさい』という意味だろう。
まったくだよ。でも……
その尚美さんのすがるような、そして泣きそうな顔を見ていたら、もう、仕方ないかなと俺は思った。だから、
「俺こそごめん、変な事言って。この子は確かに俺の子どもだよ。うん」
って、言ってしまったんだ。これから先、大変な事になるとも知らずに……