偽装結婚の行方
次の日、俺は総務へ行って阿部を捕まえた。
「阿部、なんで勝手に教えたんだよ?」
「おお、中山かあ。いきなりどうしたよ?」
「しらばっくれるな。おまえ、誰かに俺の携帯を教えたろ?」
「あ、ああ、その事か。確かに教えた。もう連絡があったのか? 彼女から……」
やっぱり阿部だったか……。なぜ尚美が俺の携帯を知っていたのか不思議だったが、思い当たるのは阿部だけだった。尚美は退職するまで総務だったらしいから。
「やっぱりおまえだったか。やたらと他人に教えるのはやめてくれよな?」
「すまん。彼女、切羽詰まった感じでさ、しかも急いでるっぽいんで、ついおまえに確認なしで教えちまった」
「まあ、それなら仕方ないけどさ……」
尚美のそんな感じが容易に想像でき、阿部をこれ以上責める気は起きなかった。
「で、彼女、おまえに何の用だった?」
「え? それは、まあ……」
「何だよ。教えろよ」
「ん……、後で話すよ。俺、職場に戻らないと……」
「そうか、分かった。飯でも食いながら、な?」
「お、おお」
と言ったものの、どこまで阿部に話していいものか、悩むなあ。
「阿部、なんで勝手に教えたんだよ?」
「おお、中山かあ。いきなりどうしたよ?」
「しらばっくれるな。おまえ、誰かに俺の携帯を教えたろ?」
「あ、ああ、その事か。確かに教えた。もう連絡があったのか? 彼女から……」
やっぱり阿部だったか……。なぜ尚美が俺の携帯を知っていたのか不思議だったが、思い当たるのは阿部だけだった。尚美は退職するまで総務だったらしいから。
「やっぱりおまえだったか。やたらと他人に教えるのはやめてくれよな?」
「すまん。彼女、切羽詰まった感じでさ、しかも急いでるっぽいんで、ついおまえに確認なしで教えちまった」
「まあ、それなら仕方ないけどさ……」
尚美のそんな感じが容易に想像でき、阿部をこれ以上責める気は起きなかった。
「で、彼女、おまえに何の用だった?」
「え? それは、まあ……」
「何だよ。教えろよ」
「ん……、後で話すよ。俺、職場に戻らないと……」
「そうか、分かった。飯でも食いながら、な?」
「お、おお」
と言ったものの、どこまで阿部に話していいものか、悩むなあ。