偽装結婚の行方
トラックで尚美のアパートに向かう。もちろん伸一君がハンドルを握り、その横に尚美が座り、その横に俺。
伸一君は未だに機嫌が悪いようでずっと無言。俺は尚美に色々聞きたい事があるのだが、伸一君の手前下手な事は言えずに結局は無言。
例えばアパートの場所や間取りなんかを尚美に聞いてみたいが、それを言ったら俺が尚美のアパートに行った事がない事実が伸一君にバレてしまう。実際、尚美の相手の男(たぶん渡辺という男)も尚美のアパートには行った事がない可能性はあるが、尚美が伸一君にどう話しているかが問題で、そういった事を尚美と全く打ち合わせていない。
という事で、俺は車の窓から外の景色をぼんやり眺めていた。陽射しが暖かく、暖房も効いているから眠くなりそうだ。
実際にウトウトとしかかった時、ポケットの中でスマホがブルブルと震えた。取り出して見ると、真琴からのメールだった。
『何してるの? 暇だったら来れば?』
絵文字の一つもない素っ気ないメッセージだ。いつもの事だが。
それを見て、今日の引っ越しの事を真琴に話していなかった事に気付いた。
『今、移動中。今日は行けない』
俺も素っ気ないメッセージを返した。『あ、そう』みたいな返事を予想したのだが……
『どこに移動中なのさ?』
あっさりした性格の真琴にしては珍しく追求してきた。よほど暇なのだろうか……
伸一君は未だに機嫌が悪いようでずっと無言。俺は尚美に色々聞きたい事があるのだが、伸一君の手前下手な事は言えずに結局は無言。
例えばアパートの場所や間取りなんかを尚美に聞いてみたいが、それを言ったら俺が尚美のアパートに行った事がない事実が伸一君にバレてしまう。実際、尚美の相手の男(たぶん渡辺という男)も尚美のアパートには行った事がない可能性はあるが、尚美が伸一君にどう話しているかが問題で、そういった事を尚美と全く打ち合わせていない。
という事で、俺は車の窓から外の景色をぼんやり眺めていた。陽射しが暖かく、暖房も効いているから眠くなりそうだ。
実際にウトウトとしかかった時、ポケットの中でスマホがブルブルと震えた。取り出して見ると、真琴からのメールだった。
『何してるの? 暇だったら来れば?』
絵文字の一つもない素っ気ないメッセージだ。いつもの事だが。
それを見て、今日の引っ越しの事を真琴に話していなかった事に気付いた。
『今、移動中。今日は行けない』
俺も素っ気ないメッセージを返した。『あ、そう』みたいな返事を予想したのだが……
『どこに移動中なのさ?』
あっさりした性格の真琴にしては珍しく追求してきた。よほど暇なのだろうか……