偽装結婚の行方
「何が?」
「あ、いやあ……あはは」
俺は笑ってごまかした。“クリスマスに行ってやらなくてごめん”とか、“一人で寂しかったか?”なんて言ったら、真琴は間違いなく怒るに決まってるから。
「ねえ、もう1ヶ月過ぎたよね?」
しばらく互いに無言で歩いていたら、不意に真琴がそう言った。尚美との偽装結婚の事だろう。
「そうだな」
「いつまで続けるのよ?」
「さあ……」
「何も聞いてないの? 尚美とかいう女から……」
「ん……聞いてない」
「そんなの、おかしくない?」
「おかしい、かもな」
「おかしいよ、絶対。どうなってるか聞きなさいよ。何ならあたしから聞こうか?」
「いや、自分で聞くから大丈夫さ」
「そう? あんた、甘いからね……」
真琴にはそう言ったが、俺は尚美に聞くつもりはない。今の生活を気に入ってるから、わざわざ終わりを早める気にはならないから。
それにしても、やはり真琴を尚美に会わせないようにしたのは正解だったな。この調子じゃ、真琴は尚美に何を言うか分かったもんじゃない。
「あ、いやあ……あはは」
俺は笑ってごまかした。“クリスマスに行ってやらなくてごめん”とか、“一人で寂しかったか?”なんて言ったら、真琴は間違いなく怒るに決まってるから。
「ねえ、もう1ヶ月過ぎたよね?」
しばらく互いに無言で歩いていたら、不意に真琴がそう言った。尚美との偽装結婚の事だろう。
「そうだな」
「いつまで続けるのよ?」
「さあ……」
「何も聞いてないの? 尚美とかいう女から……」
「ん……聞いてない」
「そんなの、おかしくない?」
「おかしい、かもな」
「おかしいよ、絶対。どうなってるか聞きなさいよ。何ならあたしから聞こうか?」
「いや、自分で聞くから大丈夫さ」
「そう? あんた、甘いからね……」
真琴にはそう言ったが、俺は尚美に聞くつもりはない。今の生活を気に入ってるから、わざわざ終わりを早める気にはならないから。
それにしても、やはり真琴を尚美に会わせないようにしたのは正解だったな。この調子じゃ、真琴は尚美に何を言うか分かったもんじゃない。