偽装結婚の行方
真琴が作ってくれたラーメンを食べながら、尚美達との偽装結婚が突然終わった事を、俺は真琴に伝えた。真琴は殆ど口を挟む事なく、黙って俺の話に耳を傾けていた。


「家に帰ってお袋さん達に謝罪しないといけないんだが、それを思うとめちゃくちゃ気が重くてさ……」

「しばらくここに居たらいいよ。決心がつくまで……」

「いいのか?」

「いいよ。狭いけど。なんだったら……」


真琴はそこで言葉を切り、なぜか俺との視線を外した。


「ん?」

「ずっと居てもいいよ?」

「いやいや、そんなに迷惑はかけられないよ。ほんの2〜3日でいいんだ」

「迷惑なんかじゃない!」


真琴は急に大声を出した。俺が“迷惑”と言ったのが、水臭いと思ったらしい。


「サンキューな。気持ちだけ受け取っておくよ。じゃあ悪いけど、寝かしてもらっていいかな?」


ラーメンを食って腹が膨れたせいか、俺は猛烈に眠かった。あるいは、現実から逃避したいのかしれないが……

だから真琴に布団を敷いてもらい、ゴロンと横になると、すぐに深い眠りへ引き込まれていった。

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