NAO


30分位たったかな。


――…ガッチャン。


パパだ…。


「ただいま」


パパは優しくニッコリ笑いスーパーの袋から食材をだす…。


パパはいつも仕事が遅くならない限り夕食を作ってくれる。


「あのね、パパ…。ごめんなさい。私実は今日から一週間謹慎なんだ…。」


私は目をつぶり下を向いた。


何を言われるかすごく怖かったのにパパの口からは意外な言葉だった。


「そっか…。」


沈黙が流れた…。


「パパ怒らないの?それに理由も聞かないの?」


「真澄が言いたくないなら言わなくていいよ。パパだって無理に聞かないよ。いつもなら頭ごなしに怒ってたかもしれないけど最近の真澄は何か様子がおかしかったから何かあったんだろう…。」


「パ…パ…」


涙が溢れだした。


「言えないなら言わなくてもいいから、もしどうしようもなくて苦しいなら言える範囲でもいいから言いなさい。」


パパの優しさが心にしみて言葉にならなかった。





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