NAO
「でもな長瀬。何があっても手はだしちゃいけない。」
先生がこんな目で私を見たのは初めてだった…。
今まで見せた事のない表情で見ていた!
「………。」
先生の言葉には耳にもふれず立ち上がり私は二人を睨みつけた。
「痛いでしょ…!!」
「………。」
あゆみと麻衣は私のあまりの突然の行動に驚いたみたいで立ち上がりもできず目をパチパチさせ言葉もでないみたいだ。
「叩かれて痛かったでしょ?でもね、私の痛みはそんなもんじゃすまない!!もっと痛いの!!心の痛みは叩かれたりする痛みより痛いんだよ!!」
私は泣きながら叫び訴えていた。
そして気付いた時には教室をとびだし雨が土砂降りの中あてもなく走りだしていたんだ――…。
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