NAO


「先生……」


なんだかすごく嬉しかった。


「取りに来ると思ってずっと学校で待ってたんだけど暗くなっても来る様子がなかったから届けようと思って……」


「ありがとうございます!!」


私は先生に抱き着いていた。


何か安心したんだ。


こうやっていつもと変わらず優しくて。


それと教室でずっと待っててくれた先生を想像するとすごく嬉しかった。


「おい、長瀬…。そろそろ帰った方がいいんじゃないか?そこだけど送るよ」


抱き着いたまま離さない。


「長瀬?」


「………。」


「おい長瀬〜?俺我慢できなくなるよ?俺も抱きしめたくなるから」


と言い私の肩を持ちはなそうとするが私は先生から離れなかったんだ――…。










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