NAO


「久しぶりだな〜仁志!」

「おぉ〜直也もな!」


仁志は俺と高校を卒業してから一緒にアメリカへダンス留学した。


実は俺はダンサーになりたくてダンスで飯を食っていきたかった…。


しかし現実は厳しく仁志だけがスカウトされ俺はそのまま夢は叶う事もなく日本に帰国し教師になったんだ。


「直也さ〜こっちこないか?アメリカ…」


「えっ…?」


「実はさ…」


仁志はアメリカで最近自分のダンススクールを開校したらしくそこで俺にダンスを子供達に教えてほしいと言う話しだった。


「考えとくよ…。」


俺は本当だったら今すぐ行きたかった…。


こんな夢の話はないだろう。


でも今の俺には捨てる事ができないものがたくさんある…。


俺は二年ほど前に親父が他界し母一人だ。


そんな母を一人日本に残すのもどうかと思うし、教師という仕事も大好きだし誇りをもっている…。


それに真澄はどうする…?

俺はこの事を誰にも言えず一人悩んでいた。





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