NAO


正直俺は真澄に「お嫁さんになりたい」と言われ本気で嬉しかったし本気でそれを望むなら俺はもちろんあいつの気持ちを受け止めたいと思った。


でも俺の気持ちの片隅で真澄の気持ちがすごく重たく感じた。


こんな俺のために今までの夢を簡単に捨てていいんだろうか…?


普通なら夢を追いかけているあいつを応援してやるのが俺の役目。


それなのに真澄はこんな俺と結婚するのが今の夢だと言っていた。


もしお前が俺と出会っていなかったら?


お前は卒業して夢に向かって進んでいたんじゃないか?


そうだとしたら俺はお前をダメにしてマイナスにしか進ませていない……。


恋愛は時として人をダメにする事がある…。


今あるものしか見えなくなって周りが見えなくなる。

ある意味幸せというんだろう…。


しかし好きという気持ちや愛が勝ってしまい夢や友達までも失う事がある。


そして最後に残るのは後悔。


俺は考えすぎなんだろうか?


俺は真澄の人生をダメにしてしまってる気がするよ…――。






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