NAO


なおが去年連れてってくれたテーマパークを今年も連れてってくれた。


本当に楽しくて二人してまた子供みたいにはしゃいだ。


その日の帰り道私は自分の想いを伝える事にした。


「…なお?」


「んっ?どした?」


私の緊張をほぐすかの様になおわ優しく頭に手を置き心配そうな顔をする。


「あのね、前から遠回しには伝えてたけどちゃんとは言えずにいかたら言うね…」


「…ぅん…。」


「私ね、なおの事が本当に好き。なおは付き合ってから色々教えてくれてたくさんの幸せをくれた…。何があるかこの先わからないけどずっと一緒に居たいの…」


「………。」


「まだまだ女としては未熟だけどなおを隣で支えたい…。だから私と結婚してください…。」


「…。ゴメン…気持ちは嬉しいけど今すぐうんとは言えない。俺も大好きだからちゃんと考えたい事があるから。ゴメンな…。」


即答だった。


信じられなかった。


なおならてっきり笑顔で『うん』と言ってくれると思ってたのに……。


ショックと恥ずかしさで悲しいというより怒りがあふれてきた。


「何で…?じゃあ今日や今までの優しさは何だったの!?好きって言ってたしなおだって前結婚したいとか言ってたじゃん!!嘘だったの?!!」


「嘘じゃないよ。ただ結婚ってそんなすぐにできる問題じゃないだろ?それにお前はまだ若いしやりたい事もたくさんあるだろうし」

「ないよ…。なおと幸せになるのが1番だよ!!」


「真澄?本当は俺だってすぐに結婚したい…。でも俺はお前に夢とかやりたい事っていうのを諦めてほしくないんだ。それからでも遅くないだろ?だからもう少し考え……」


「もういい!もういいよ!したくないならはっきり言えばいいのに!私がどれだけ勇気出して言ってるかなおには解らないだろうね!もうここで降りる!!」


「ちゃんと家まで送るから…」


降りようとする私の手を引き止めたがその手を振り払い車を降りた…――。






< 260 / 374 >

この作品をシェア

pagetop