NAO
「長瀬さん?眞木先生に何か用があるんじゃないの?」
「……。」
「長瀬どした?」
なおが近寄ってくる。
「すいません!突然家なんかに来ちゃって!これクラスのみんなで眞木先生に渡そうって事で私代表で!」
なおのために買った大きな袋を二つ渡した。
なおはまた驚いて受け取る。
「ほら先生あさって誕生日でしょ?それに私達のために忙しく頑張ってくれてるんで!」
私は精一杯の嘘と笑顔でごまかした…。
バッチリだろう…。松本先生は「眞木先生の生徒さん優しいのね。本当いいクラスでうらやましいわ〜。」なんて言ってる…。
「じゃあ私帰ります!せっかくのデート邪魔してすいませんでした…。眞木先生松本先生と頑張ってね!」
そう言い残し必死でその場から逃げ出し家へと走りだした。
どんどん涙が溢れ走るのが苦しかった。
でも止まると声をあげてしまいそうだったのでとにかく家まで急いで帰った…――。
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